2月 冬こそ登りたい百名山!荒島岳を日帰り登山

山行

日本百名山の荒島岳に登りました。

春はしゃくなげ、秋はブナの紅葉、冬は山頂に至る冠雪のビクトリーロードの景色が美しい山です。大野富士とも呼ばれ地元から親しまれる山でもあります。

基本情報

  • 日程:2024年2月11日(日)
  • 地域:福井県大野市
  • 主な山頂:荒島岳(1523.4m)
  • 最寄り駅:JR越美北線(九頭竜線) 勝原かどはら
  • 最寄りIC:中部縦貫自動車道 勝原IC、荒島IC
  • 駐車場:勝原スキー場跡

主な登山道

主な登山道は以下の4つです。

コース説明コースタイム
勝原かどはらコース・勝原駅(標高260m)または勝原ICが最寄り。
・旧勝原スキー場(標高350m)からゲレンデを登り、尾根伝いにブナの原生林を行く。
・駐車場は約40台収容なので、マイカー利用に便利。トイレあり
登り3:30
下り2:30
中出なかんでコース・下唯野駅(標高220m)、荒島ICが最寄り。
・中出集落からなだらかなコースを経て小荒島岳を経て山頂に至る。
・駐車場、トイレあり。
登り3:40
下り2:40
佐開さびらきコース・荒島ICが最寄り
・荒島養鱒場より鬼谷林道の終点(標高約850m)を登り、頂上へ至る最短コース。
・林道は悪路で4WD車のみ走行可能で、降雨後は走行不能となるため、大野市はおすすめしていない。
・林道終点の駐車場の容量は約5台。
登り3:30(林道終点から1:50)
下り2:30
新・下山しもやまコース・越前下山駅(標高400m)または、下山ICが最寄り。
・急な上りが続く健脚向け。
・下山地区集会施設に駐車場あり。トイレなし。
登り4:40
下り3:10

新・下山コース以外は、途中のシャクナゲ平で合流し、急登のもちが壁を越えて山頂に至ります。各コースについては、大野市のHPに詳しいです。

今回のコース概要

今回、私はマイカーで向かうため、大きめの駐車場がある勝原スキー場から山頂を往復するコースで臨みます。

行程勝原スキー場駐車場→0:50→元リフト終点→1:30→シャクナゲ平→1:00→荒島岳→0:40→シャクナゲ平→1:10→元リフト終点→0:30→駐車場
全CT5:40(休憩含まず)
距離8.9km
高低差登り1,236m / 下り1,219m
コースタイムは山と高原地図による

関西に住んでいる私は、前日の夜に車で地元を出発し登山口で車中泊。翌日に登頂し帰宅することにしました。

アクセス

公共交通機関

JR越美北線(九頭竜線)の勝原かどはらで下車します。駅からスキー場まで、徒歩で片道約20分です。

鉄道の便が限られているため、遠方の方は勝原周辺の宿に前泊することをおすすめします。

マイカー

登山口の勝原スキー場跡地には、約40台収容可な駐車場、トイレがあります。

冬場に訪れた際、トイレは閉鎖されていました。

前日の20時過ぎ、仕事終わりの友人と合流し名神、北陸自動車道、中部縦貫自動車道と乗り継ぎ、翌0時ちょうどに登山口の勝原スキー場跡の駐車場に到着しました。

道中、滋賀県の長浜付近から雨が降り出し、福井県に入った頃から雪に変わりました。中部縦貫道では雪がさらに激しくなり視界が悪くなります。

トンネルを抜けるごとに気候が変わっていき、「国境の長いトンネルを抜けると雪國であった」という川端康成の名文を思い出します。

途中、何度か除雪車とすれ違います。速度は70km/h規制となり路肩の温度計は気温0℃を表示していました。路面は積雪ておりスタッドレスタイヤでも時折スリップしそうになります。轍を外さないよう注意して走ります。

日付が変わる頃に到着した勝原かどはらスキー場の駐車場には、10cmほどの積雪がありました。

翌朝の登山道は深雪かもしれません。ワカンを持ってきましたが体力勝負となりそうです。翌朝に備えて車中でシュラフに包まり休みます。

隣では友人が早くも寝息を立てはじめ、間もなくいびきに変わりました。私も目を閉じました。

勝原スキー場から登山開始

翌朝の天気は曇。

車中泊では脚を伸ばせず浅い眠りでした。友人も寒くて何度か目覚めたそう。

朝食にラーメンとおにぎり3つで炭水化物をチャージします。朝食から背徳のコレボレーションですが、雪山でシャリバテしないようにと自分に言い聞かせます。

6:20から登山開始。駐車場の積雪は20cmほどあり、登山道に入るとさらに深くなります。

まずは、元スキー場のゲレンデを直登します。低く立ち込めた雲のせいで隣の山すら見えないないため、黙々と斜面を登ります。

同行の友人が早くも「まだ〜?帰ろうよ」と零します。景色の良くないゲレンデを登るのはまるで修行です。

7:30、元リフト終点を過ぎると積雪は道標を埋めるほど深くなります。ただ、先行者の踏み跡をたどれば足が沈むことはないので、ワカンはまだ不要。

急坂の途中、トトロの木という看板を見つけました。どこをどう見ればトトロなのかは分からず、釈然としないまま先へ進みます。

ときおり雲の切れ間に遠くの山や稜線などが見え隠れします。北側にみえる山は経ヶ岳でしょうか。

天候が持ち直すと気分も明るくなります。

足元を見がちな友人を元気づけようと「稜線見えてきた」「霧氷が綺麗〜」など景色の変化を努めて声に出します。楽しそうな声を出していると、友人よりむしろ私が元気になってくるのが不思議です。

8:55、深谷の頭付近は、雪に覆われた広く緩やかな尾根にブナが立ち並んでいます。ここでのんびりお茶でもしたいくらいです。

けれども、ここまでで何組かのパーティに抜かれています。地元の方なのか、この季節に山に登る人は雪山慣れしているのかみんな健脚です。

私たちが遅いのかと不安になりヤマレコでペースを確かめると、ほぼ予定通り。

便利な文明の利器ですが、使いだしてみると次第にコースタイムを自分の頭で計算するのが面倒に感じてしまいます。慣れとは恐ろしいものです。

後からやってきたガイドツアーにも抜かれます。ペースをつくろうと、しばらくついて歩いことにします。

ツアーが立ち止まり、後方のガイドらしき人が進行方向の左手へカメラを向けています。

そちらへ目をやると落葉した木立の向こうに荒島岳がどんと聳えています。あそこまで登るのか!

目的地の距離と標高差に怖じけつつ、このペースで歩み続ければ昼前には辿り着けるはず思うと不思議と気持ちが落ち着きます。先が見通せるのは偉大です。

夏場は木組みの階段があるであろう急登を頑張り、シャクナゲ平に到着です。

シャクナゲ平からもちが壁を経て山頂へ

9:55〜10:15まで樹林に囲まれたシャクナゲ平で休憩にします。

ここは勝原、中出、佐開の登山道の合流点です。木々に囲まれた広場が、多くの登山者で賑わっています。

雲が流れ、ときおり北側にピラミッド型の山が見えます。ツアーの説明に耳を傾けると、奥越の名峰経ヶ岳(1625m)だそう。

ガイドさんが、ここからストックをピッケルに持ち替えるよう声をかけています。私達も習います。

もちが壁は噂通りの急斜面。

しかし雪がどっさり付いており足場もあるため、ピッケルで確保をとれば、無雪期よりも楽かもしれません。

もちが壁以降はやや細い尾根を辿ります。木々は低木となります。

次第に雲が晴れて景色が開けてきます。

後方東側には雪に覆われた勝山の田園が見えます。シャッターを切ります。

友人も「うわー!綺麗だ」と歓声を上げています。荒島岳がくれたご褒美に頬が緩みます。

「この先はビクトリーロードだよ」と頂上から降りてきたパーティの女性に励まされます。ついに低木も埋まり、山頂が見えます。

尾根を北側の雪庇と距離をとりながらずんずん進みます。

急坂を登ると中荒島岳・もちが壁の看板が立っています。

美しく雪化粧した荒島岳の山頂が飛び込んできました。1,000m級の低山とは思えない勇姿です。

荒島岳山頂

望外の好天に足取りも軽く、12時ちょうどに山頂に到着しました。

頂上は、手のひらでポンポンとならしたように平らで広々としています。私好みの山頂でにんまりしてしまいます。

北側の白山の頂はあいにく雲に覆われていますが、それ以外は申しぶんない眺望です。

小さな祠が祀られています。

友人と記念写真を撮り合います。

友人は昼食、僕は無線交信。福井県坂井市や愛知県知多半島と繋がり嬉しくなります。

しばらくして雲が立ち込め辺りが暗くなってきました。北陸の冬の貴重な晴れ間を満喫し帰路に着きます。

12:45に下山開始、13時半頃にシャクナゲ平、14:15に元リフト終点を過ぎ、14:50に駐車場に戻りました。

食料

内容
朝食カップラーメン、おにぎり×3、みかん、水500ml
昼食チョコデニッシュ、ハムパン、おにぎり×1
行動食ミニカルパス、グミ
水(飲用/全体)200ml/1,500ml

費用

金額
レンタカー(1泊2日)19,140円
高速道路料金(往復)7,940円
ガソリン代6,269円
日帰り入浴(レストイン多賀)650円
夕食(多賀SA)1,280円
合計35,279円

参考

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