コース概要
「8月の北アルプス 燕岳・大天井岳・常念岳を縦走登山 2日目」の続きです!
最終日は、常念小屋から常念岳を往復し、一ノ沢へ下山します。
常念岳の山頂からは、蝶ヶ岳、穂高連峰、上高地などが名だたる名峰が一望できます。
一ノ沢登山道は常念岳への最短コースだけに急傾斜こそありますが危険箇所は多くありません。ただし、沢沿いの道ですので増水時は避けましょう。
距離は6.9km、コースタイムは5:50です。
山行記録
好展望の常念岳へアタック
常念小屋にて5:00から朝食をいただいて、6:30頃に出発します。
3日目も好天に恵まれました。
泊りのための装備は小屋に置いてきたため足取りも軽いです。景色も余裕で眺めちゃいます。
ちょっと立ち止まって太陽が登ってきた方向を眺めます。安曇野の市街地、その背後に八ヶ岳連峰が横たわっています。
振り返ると北側には常念小屋の赤い屋根と昨日歩いてきた山並みが。「こんなに歩いてきたのか〜」と感慨に耽られること請け合いです。
7:10頃、三股への分岐に至ります。常念岳方面へ進むと山頂はもうすぐです。
絶景の常念岳山頂
7:15、山頂に到着です。標高は2,857mです。ゴロゴロとした岩場に祠とケルンがあります。
全方位に展望が開け、とても気持ちの良い山頂です。ここでご飯を食べている人もいらっしゃいます。
ぐるりと景色を見渡してみましょう。
北側には今回歩いてきた燕岳、大天井岳などの山、その奥に立山や後立山連峰の峰々が見えます。
西側には、大天井岳から西岳を経て槍ヶ岳まで至る稜線が一望できます。
その稜線上につけられた表銀座コースと呼ばれる登山道は、アルプスでも人気の登山道です。
稜線は更に南へ伸び、槍ヶ岳から南岳、北穂高岳を経て奥穂高岳へと伸びています。
雲を纏った槍ヶ岳も格好いいです。
さらに南側へ視線を転じると、穂高連峰と蝶ヶ岳の間に流れる梓川と上高地が望めます。
その奥の乗鞍岳は頂を雲の中に隠しています。
穂高の岩塊は大迫力です。涸沢と奥穂高と前穂高との間の吊尾根がくっきりと見えます。
南側には蝶ヶ岳が見えます。山頂で出会った方によると、蝶ヶ岳は穂高の展望台と呼ばれ間近に穂高岳が見えるそうです。
そして東側の眼下には安曇野市街が広がり、その背後には八ヶ岳連峰が見えます。
こうして景色を眺めていると、疲れも忘れてしまうのだから不思議です。こんな景色を拝ませてくれた、お天道様に感謝です。
草花の楽園!一の沢登山道で下山
8:45に山頂を後にし、9:25に常念小屋に戻りました。ここから一ノ沢へ下ります。
友人のテントを畳み、トイレを済ませて10:00過ぎに出発です。
こちらも合戦尾根と同じく要所にベンチが設けられています。
10:18に第2ベンチ、10:28に第1ベンチと転がるように下山します。
10:57に標高2,090mの胸突八丁を通過します。
この辺りではミヤマシシウドやフキの仲間などの花々が目を楽しませてくれます。
11:35に標高1,900mの笠原沢に至ります。徐々に傾斜が緩やかになってきます。
12:10、標高1,610mの大滝を通過します。
沢が近く水浴びをしている人もいました。
12:50に山の神という看板と鳥居の立つ場所に到着です。標高は1,480mです。この大木が神様でしょうか。合掌。
13:00ちょうどに標高1,300mの一の沢登山口に到着です。
帰りは予約していた南安タクシーで、車を停めている安曇野の里・田淵行男記念館の駐車場に戻ります。費用は執筆時で5,540円、所要時間はおよそ30分でした。
おわりに
2泊3日で北アルプスを堪能できるコースです。山岳展望に動植物との出会いもあり、さまざまな人の好奇心を満たしてくれる山だなと感じました。
同行者と見つけたものを共有すると、一人では気づかない発見も楽しめました。
登りと下りの急坂は覚悟が必要ですが、その甲斐はきっとあります。夏山の行き先未定の方は、候補地にぜひ。
参考
- 竹地里加子『日本百名山登山地図帳 下』JTBパブリッシング、2016年。
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