初心者向け!登山に必要な持ち物は? ○○○を意識しよう。レンタルの方法もご紹介。

道具

はじめに

 「趣味は登山です!」と公言しているので、ときどき友人や同僚に「登山って何を持っていったらいいの?」と尋ねられることがあります。今回はハイキングに誘われた、登山に行ってみたいけど持ち物がわからない!という方向けに登山で必要な道具をご紹介します。

登山に必要な道具=装備

 山登りの道具のについては、さまざまな書籍やパンフレットで紹介されています。それらの中で私は、昭文社の『山と高原地図』に掲載の装備表を参考にしています。山と高原地図は50年以上のロングセラーを誇り登山者に定評のある登山地図です。

 山と高原地図には写真のような装備表がついています。

出典:山と高原地図

 この装備表には以下のような説明が添えられています。

日帰りから3〜4日の山小屋を利用する場合に参考にしてください。キャンプや厳冬期の長期にわたる入山、あるいは岩登りなどにはそれぞれの道具(露営用具、炊事用具、燃料、食料、岩登り用具など)が必要になります。

山と高原地図

 はじめての日帰りハイキングなら、これらの道具で対応できるでしょう。

 余談ですが、登山の道具を山登りをする人は「装備」と呼ぶことが多いです。なんだかカッコいいような、いかめしいような呼び方ですね。このように呼ぶ理由はわかりませんが伝統的にそう呼んでいます。登山者が「装備」と言っていたら「登山の道具」のことなんだと思ってくださいね。

何を持っていったらいいの?衣食住を意識して

 街と違い山では何かあってもすぐにコンビニに駆け込めません。私は衣食住を意識して準備するのがよいと思います。必要最低限の衣食住があれば、何かあったときにも対応できます。

 山と高原地図は「服装・履物」と「一般携行品」の2種類に大別しているのですが、今回は初めての方でもわかりやすいよう用途別にもう少し細かく分けて説明します。

 装備ごとの重要度を下の表に示しました。はじめから全てを揃えるのは大変ですので、まずはAの「必ず持参」のアイテムを集めてみましょう。

重要度 意味
A 必ず持参
B 状況によっては持参
C あれば重宝するもの

着る

 実は登山者は服装に気を遣っています。これはもちろんオシャレのため!ではなく日差しや雨や温度変化などの自然環境から身を守るための道具として大事だからです。怪我や日焼けから身体を保護するため、長袖がおすすめです。

品名 重要度 説明
長袖シャツ A 日焼けや虫刺され予防に。
長ズボン A 擦り傷や虫刺され予防に。
靴下 A 足は蒸れやすく冷えやすい。化繊または毛のものを。
下着(上) A 速乾かつ保温機能のある、化繊または毛のものを。
下着(下) A 速乾かつ保温機能のあるものを。
レインジャケット A ゴアテックスなどの防水透湿素材を。
レインパンツ A 必須。防水透湿素材を。
帽子 A 夏は日焼け防止、冬は保温に。
防寒着 A 夏も必須。下山が遅れれば夜は寒い。フリース・ダウンなど畳めるものを。
手袋 A 滑り止めつきがよい。
登山靴 A これを忘れたらおとなしく帰る。意外とマイカーでアクセスし、持っていき忘れたという話も。
着替え A 日帰りでも下着・靴下など最低限の着替えを。帰りも快適。

 登山の服装は基本的に3枚の重ね着で考えます。

  • ベースレイヤー:下着として肌に直接触れ汗を素早く乾かす
  • ミドルレイヤー:長袖シャツなど保温着として温度調節をする
  • アウター:雨風を防ぐ

の3層構造です。これを英語でレイヤリングと呼んだりします。

レイヤリングの例

 具体的には、暑ければベースレイヤーの1枚で歩き、肌寒く感じれはミドルレイヤーを重ねます。夏はベースレイヤーに薄手で速乾性のあるものを選び、冬は保温性のあるものを選んだりしますが、四季を通じて要領は同じです。

 登山における服装は機能です。山男は不精というイメージは過去のもの、いかに快適性を保つかということに頭を悩ませているのです。雨の日の服装については、アウターにレインウェアを重ねれば完成!と思われるかもしれませんが、実はちょっとしたコツがあります。雨の日の服装については「雨の日の登山はこうして楽しむ!服装と装備について」の記事をご覧ください。

 とはいえ、最近は山でもオシャレな人を見かけるようになりました。若い女性登山者の増加にともなって、トレンドの色や柄を取り入れたウェアや機能的な山スカートなども販売されています。アウトドアウェアが街中でも着られるなど、街と山の垣根も低くなってきたように感じます。キャンプや野外フェスなどアウトドアのスタイルも流行っています。とても喜ばしいことだと思います。登山用の服は高価な分、動きやすさや温度調節など機能的にも優れています。山だけではもったいないので街中でも活用してみてください。家から一歩出れば、そこはもうアウトドアです。

歩く

 野球はボールを投げて打つためにグローブやバットなどの専用の道具を使いますね。登山でも背負って歩くためにザックやストックなどの専用の装備があります。グローブを使わず軍手で野球の試合をする人はいないと思います。専用の道具があれば安全性と快適性が違います。楽しむために登山用の装備を手にとってみてください。

品名 重要度 説明
ザック A 日帰りなら30L程度。
ザックカバー A 必須だが忘れがち。
ヘッドランプ A 必須。下山が遅れ日没になったら…無事帰るために必要。
スパッツ A ゲイターとも呼ぶ。雨の時に登山靴とズボンの隙間を覆い、靴に水が入らないようにするもの。
カメラ C 思い出づくりに
ストック C 杖。トレッキングポールとも。膝の負担が軽減できる。
時計 A 防水のものを。
地図 A コンパスとセット。
コンパス A 地図を進行方向に向けて置く「正置」からはじめよう。
高度計・気圧計・温度計 C 内蔵の時計もあり。
ハンディGPS機器 C スマホなら登山地図アプリを入れて簡易的に代用できるが、スマホは通信手段でもあるため機能を分けておいた方が無難。
登山計画書 A 提出用と携帯用に2部持参。
雨傘 C 公共交通を利用する場合はあれば便利。
日焼け止め B 標高が1,000m高くなると紫外線は10%多くなる。
サングラス B 目は大事。紫外線、ホコリや虫から目を守るために。
予備靴紐 A 靴紐が切れたら行動できない。
ペッドランプの持参の仕方

 余談ですが、ヘッドランプは日帰りでも必須です。もし、道に迷って山の中で日没を迎えてしまったら。そんな万が一も想定してヘッドランプは用意ておきましょう。その際、絶縁防水はお忘れなく。

 私もランプに電池を入れたままにしてリュックの中で明かりがついており、いざ使おうという時に「後どれくらい持つかな…」とドキドキしたことがあります。

 絶縁と防水の手っ取り早い方法は、ヘッドランプから電池を抜いて、ともに防水の袋に入れておくことです。少しでも嵩を減らしたい場合は、ヘッドランプに電池をセットしておき、電池と端子の間に薄いプラスチックのフィルム(おやつの包装を小さく切ったもので可)を挟んでおけばよいでしょう。

住む

 日帰り登山の場合でも山で過ごすことを意識して荷物を選びましょう。万一、怪我で動けなくなっても最低限これらがあればなんとか一晩過ごせるというものを考えます。台所、寝室などご自身の家を思い浮かべて、その機能を持つ最小の物を探してみてください。例えば、台所を成り立たせる要素は火と鍋と包丁、寝室なら布団です。台所のグッズはライターとコッヘルとナイフで、寝室の布団はサバイバルシートで代用します。

品名 重要度 説明
眼鏡・コンタクトレンズ B 眼鏡族は必須!コンタクト派も眼鏡は必ず持っていく。
ナイフ A ビクトリノックスなど折りたたみのものを。
ライター・マッチ A 防水のうえ。
バーナー・燃料 B 寒い時期には温かいものが食べたい。
コッヘル B 携帯用の炊事用具。金属製の鍋などで火にかけられる。
ろうそく C 火を保持するために。
洗面用具 A タオルや手ぬぐいは、温泉から止血まで重宝。
ビニール袋 A ジップロックが便利!ゴミ袋にしたり防水に使ったり何かと便利。
ロールペーパー A 小さくなったトイレットペーパーの芯を抜きジップロックに入れて持っていく。ポケットティッシュよりも何かと役立つ。もちろんトイレの時にも。
現金 A ロープウェーや山小屋のトイレでは今なお現金がモノを言う。
健康保険証 A 怪我の備えに。
運転免許証 A 身分証としても。
筆記用具 A ペンとメモ帳はいざという時の置き手紙にも。
携帯電話 A これぞ文明の利器!登山用の地図をダウンロードしてハンディGPSとしても利用できる。
モバイルバッテリー A 遭難時の生命線。
充電ケーブル A これがなければバッテリーもただの重り。
ラジオ C 昔はこれが情報源。今でも山で泊まる時は夜のお供に。
電池(ヘッドランプ用) A いざのという時の保険として。
簡易携帯トイレ B 使わないに越したこと無いけれど。環境保全に、お守りに。
非常食 A 基本的に食べないものと考えて。
救急用品 A 絆創膏、鎮痛剤、下痢止め、抗ヒスタミン剤など。
サバイバルシート・ツェルト B ビバーク時に命をつなぐ一枚。
便利セット

 サバイバルシートや靴紐など、使う頻度は少ないけれども必要な道具は、ひとまとめにしておくと準備が早く済みます。私はジップロック一袋に詰めて便利セットと呼んでいます。

食す

 食べ物がエネルギー源です。空腹は最良の調味料!いつものおにぎりでも美味しく感じます。

品名 重要度 説明
飲料水 A 日帰りなら1Lは準備。プラティパスが便利。発汗による塩分不足を補うスポーツドリンクも。
保温ボトル C 冬季はこれがあれば幸せに。
食糧 A 昼食など。
行動食 A 飴、チョコレート、柿の種など好みのおやつを。

 登山は長時間にわたる有酸素運動です。普段の生活よりもカロリーの消費が激しいためエネルギー不足になってしまう場合があります。症状として空腹感、脱力感、ふらつき、めまい、頭痛などが生じます。これが俗に言う「ハンガーノック」で、登山者の間では「シャリバテ」と呼ばれます。医学的には、血糖値が低下した状態です。

 そこで予防のために活躍するのが行動食です。平たくいうと小学生の時の遠足に持っていったようなおやつです。休憩時や歩きながら食べます。疲れている時に食べるものなので、お気に入りのおやつなどモチベーションの上がりそうなものを持っているとよいでしょう。私は小学生の頃から遠足にはラムネを持っていきます。今はラムネ大人買いです。

 万一、シャリバテになったかなと思ったらどうしたら良いでしょうか。一般的な対処法はエネルギー源となる糖分を補給し休息をとることです。おにぎりやパンなども良いのですが体内での分解に時間がかかります。飴やチョコレート、ラムネなどの糖質そのものの方が血糖値を素早く上げることができ症状の改善に即効性があるといわれます。ラムネは偉大ですね。

Q. 一体、何から揃えたらいい?A. 「三種の神器」

 こんなにたくさん一度に購入するのは大変ですね。私は登山を始めた高校生の頃から少しずつ買い足していきました。まずは家にあるもので代用できるものを集めてみましょう。「何から揃えたらいいの?」という方は、登山の三種の神器といわれる登山靴レインウェアザックから揃えてみましょう。

お試し登山なら「やまどうぐレンタル屋」

 「でも、ハマるかわからないのに、いきなり大きなお金をかけるのはちょっと…」という気持ちもわかります。そんなあなたに朗報です!

 山道具のレンタルサービスを行う会社もあります。なかでも「やまどうぐレンタル屋
」はインターネットで申し込みができ、全国どこでも自宅まで道具を届けてくれます。

 登山が初めての友人と富士山に行った時に友人におすすめしたサービスです。実際に利用した友人いわく

友人

頭から足元まで全部レンタルできて、ちゃんと「登山者」になれました!

返却のときも洗ったりせず、使ったままで大丈夫!

あと、1万円以上のレンタルは送料無料で助かりました。

 同行した私が友人の使っている道具を見ても、定評のあるブランドのもので安心感がありました。山道具のプロが目利きしているの当然ですね。

 道具はあなた活動領域を拡げてくれます。初心者だけど富士山や屋久島などに行ってみたいという方も、安全のために登山靴、レインウェアなどの道具は削らないでくださいね。

 お試し登山の場合は、お財布にもやさしい「やまどうぐレンタル屋 」を利用するのも一案です。

参考

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