雨の日の登山はこうして楽しむ!服装と装備について

徒然

はじめに

 突然ですが、雨ってヤですね〜。

 しかし私は雨男。登山をはじめアウトドアを趣味とする上でこれは死活問題です。

 ハイカーは次の山行の日が近づいてくるとテレビやインターネットの天気予報を確認することがしばしばです。それくらい登山においてお天気は重要です。

 日帰り登山なら天気予報で降水確率が高ければ、日程を変更することもできます。

 しかし日本アルプスや富士山など泊りがけで遠出する場合は早い段階で予定を決めてしまっているので、それもなかなか難しいですね。1日目が晴れでも2日目が雨なら、帰るために否が応でも歩かなければなりません。

 そんな時に雨でも山を楽しむ術を知っていれば、雨の日の登山もちょっと楽しくなるかもしれません。今回は、雨男の私が気づいた雨の日の登山の楽しみ方をお伝えしたいと思います。

草花の美しさが愛でられる!

東お多福山にて

 雨の日の植物は生き生きしています。

 シャワーが私たちの汗を流すように雨水が草木の砂埃を洗い流します。雫は草花に彩りを添えるアクセサリーのようです。蜘蛛の巣に付いた水滴もまた綺麗です。

天気の悪い日に現れる動物と出会える!

立山のライチョウ

 山登りの先輩から「雷鳥は天候の悪い日に現れる」と聞いたことがあります。たしかに経験的にも雨や霧などの時に出会うことが多いような気がします。インターネットで調べてみると、Wikipediaに以下のような説明がありました。

もともと寒冷な地域を生活圏とする鳥であるため夏場の快晴時には暑さのためにハイマツ群落内、岩の隙間、雪洞の中などに退避しているという可能性、天敵から身を隠しているという2つの可能性からこのようなことが言われていると考えられる。

「ライチョウ」Wikipedia

 かつては山の先輩が口伝えしていたことが、現在はネット上で多くの人の知るところとなる時代です。

 天気の悪い日も小さな動物たちにとってはこれ幸い。雨ならではの生き物を探してみると新しい発見があるかもしれません。

装備の使い心地を試せる!

 レインウェアは必須装備といわれながら、雨が降らなければザックの肥やしとなりがちです。雨の日は高価なレインウェアの使い心地を試すチャンスです!

 さて、山で雨が降られたらどうすればよいでしょうか。レインウェアを重ねるだけと思われるかもしれません。

高校の山岳部時代、私は顧問の先生から「カッパの下は、シャツ1枚」と教わりました。なぜでしょう。

レインウェアには防水透湿素材を使ったものを

理由は、とても暑くなるからです。私がはじめてレインウェアを着て歩いた時の感想は「あっつ〜」でした。

 もう少し詳しく説明するとレインウェアの素材に関係します。レインウェアは防水に優れる反面、普通の衣類と比べて通気性が低いという特徴があります。通気性が落ちれば内側の温かく湿った空気を外に放出しにくく保温性が上がります。あたかもサウナスーツのようにかいた汗が外に放出されず蒸れやすくなるのです。

防水透湿素材の模式図
出典 mont-bell

 そのため現在の登山では、防水透湿素材を用いたレインウェアを使うことが主流となっています。これは外側からの濡れを防ぐ「防水」機能と、内側からの蒸れを逃がす「透湿」機能をあわせもつ素材です。

 それでも実際に雨の中をレインウェアを着て歩いていると、雨は防いでいるはずなのに服が濡れてくることがあります。これは、汗蒸れが一因です。防水透湿素材のレインウェアであっても運動による発汗量がレインウェアの透湿性能を上回ると蒸れてしまうのです。

 雨の日の登山では、レインウェアの中で汗をかき過ぎないために

  • 衣類内の快適な温度と湿度を保つこと
  • 汗蒸れにより濡れる衣類の枚数を減らすこと

が重要となります。したがって、レインウェアの下は薄着にしておくのが良いというのです。

 ただし、快適な温度は季節や服の素材、着る人の体感など様々な要素によります。こればかりは個々人が試行錯誤して試していくしかありません。

雨の日のレイヤリング

 私の雨の日のレイヤリング(登山における「機能的な重ね着」のこと)例は、肌に近い方から

  • ドライインナー
  • 速乾性シャツ
  • レインウェア

です。

 このように色々な条件のもとで試行錯誤を経て、道具の使い方を追究していくのも登山の醍醐味のひとつだと思います。

雨の日にはどんな装備が要るの?

 雨の日に山を歩くには必須な装備、あると便利な装備があります。私が考えるものをいくつか挙げてみますね。

品名 説明
レインウェア 必須。雨の日の主役。晴れの日も持参。防風にも使える。防水透湿素材、上下セパレートタイプが便利。
ザックカバー 必須。しかし忘れがち。ザックの容量に合うものを常にザック入れておこう。
スパッツ 必須。靴とズボンの間に巻いて降雨時、雨あがりなどに靴の中に水や泥が入るのを防ぐための布。レインウェアのズボンがあれば着けない人もいるが、靴に水を入れないよう気遣いながら歩くのは疲れる。歩行技術に自信がない初心者ほどあった方が無難。最近はゲイターと呼ぶことも。女性用のズボン下ではない。
ドライパック(防水袋) あったら便利な雨の日の名脇役。カメラや携帯電話、着替えなど濡らしたくないものを入れておこう。電子機器を持ち歩く現代人にとっては今やか欠かせないかも。ジップロックでも可。
防水スプレー 持参する必要はないが、事前に靴やレインウェア、ザックなど外界に露出する物にかけておく。撥水効果で雨や泥汚れがつきにくくなりお手入れが楽に。

重宝しているしている装備について書いた記事です。

「登山や旅行に大活躍 キャラバンの圧縮できるスタッフバックが優秀!」

おわりに

 どうですか?雨の日の登山もちょっぴり楽しく思えてきましたか。

 山を歩くなら荒天より好天の方が安全面でも気分の面でもよいのは当然ですが、雨の日の登山をすれば悪天候時の適切な対応を経験を通じて知ることができます。例えば蒸れにくいレイヤリング、防水対策や滑りやすい足場での歩き方などですね。スキルアップにもつながります!

 雨の日は気持ちが沈みがちですが、雨降りだからこそ体験できることに目を向けてみるはいかがでしょう。レインウェアなどの装備で安全と快適を確保すれば、心にゆとりが生まれ楽しく山歩きができますよ。

参考

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