1月 北八ヶ岳を新春登山!天狗岳・茶臼山・縞枯山を2泊3日で縦走 3日目

山行

1月 北八ヶ岳を新春登山!天狗岳・茶臼山・縞枯山を2泊3日で縦走 2日目」の続きです。

コース概要

3日目は、白駒(しらこま)池から茶臼山と縞枯山を経て北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅へ向かいます。

 展望箇所は、茶臼山縞枯山の展望台です!また、その他の立ち寄りスポットとして麦草峠の麦草ヒュッテ茶水の池があります。

図 3日目の行程
出典 ヤマレコ
図 3日目の行程図
出典 ヤマレコ

山行記録

白駒池から麦草峠へ

5:30、普段ならまだ夢の中にいる時刻ですが自然と目が覚めました。テントの布越しに徐々に辺りが明るくなっていきます。朝食のために湯を沸かし、アルファ米を戻す間にシュラフを畳みます。トイレを済ませテントを撤収し、8:25に青苔荘を出発します。

桟橋から湖面に降り立ち振り返ると、

青空の下、木々の枝についた霧氷がきらきらと風に舞って美しいです。

朝日に背中を押されながら白駒荘まで湖面を歩きます。

森の中を歩き、8:56に白駒池入口へ到着です。

白駒池入り口まで夏季なら佐久方面からバスでアクセスできます。時刻表などは千曲バスホームページをご覧ください。

ここから麦草峠まで、通称メルヘン街道と呼ばれる国道299号線を歩きます。

この道は冬季一般車両通行止めです。

ですので堂々と道の真ん中を歩けます。

スキーの跡もあります。青空の下、スキーで滑ればさぞ気持ちがいいでしょうね。

なぜ正月早々わざわざ重りを背負って歩いているのでしょうか。こんな良い天気の日に車道を歩いていると、ふと登山者としてのアイデンティティの危機感を覚えます。

9:13、メルヘン街道最高地点2,127mの標識を通過します。

9:26、メルヘンなたたずまいの麦草ヒュッテに立ち寄ります。

どこか懐かしさを感じる室内です。

トイレを使用した友人曰く「昔ながらトイレ」です。昔ながらであることの光と影を感じられます。

お風呂(11〜4月は入浴不可)もあるそうです。詳しくは麦草ヒュッテホームページをご覧ください。

八ヶ岳の山々の山バッヂも買えます。

茶臼山からパノラマを満喫

休憩を終え、9:57に麦草ヒュッテを出発します。国道299号線を横断し北へ向かう登山道に入ります。

すぐに右手に茶水の池があります。

冬は雪原になっています。

10:00に雨池への分岐を右手に見送り、樹林の中を四半時歩くと10:15に大石峠に至ります。

10:30、中小場というピークに着きます。国土地理院の基準点成果等閲覧サービスによると四等三角点があり、基準点名は大石山というそうです。ここからは北東にこれから向かう茶臼山が見えます。風が強く吹いているので、ピークから少し下った森の中で5分ほど補給のために休憩します。

茶臼山までは高低差160mほどの急な直登です。木々に囲まれた登山道を黙々と登ります。メインザックを背負っての茶臼山への登りは今回の行程で一番堪える箇所です。食糧を食べて荷物も軽くなっているはずなのですが全然楽に感じません。荷物の減った分を3日目の疲労が相殺しているのかもしれません。


35分ほどかけて11:10に茶臼山という木製の指導標の立てられた広場に到着します。樹林に囲まれたこの場所が山頂のようです。メインザックをおろし一息つきます。防寒着を着て展望箇所に行ってみましょう。

木々の中を3分ほど歩くと、急に視界が開けます。

南アルプス、中央アルプス、北アルプスのパノラマが広がっています。

展望が良いということは、遮るものがないということで、

この日も風が吹き付けて、巨大なエビの尻尾が成長しています。


強風にさらされながらも、この機を逃すまいと写真を撮ります。

「ここは茶臼山展望台」と書かれた指導標の後ろの岩の上に「四等」と書かれた標石があります。

国土地理院の三角点と似ていますがてっぺんの十字の向きが角度にして45度異なります。国土地理院の三角点の十字を「+」とすればは「☓」という具合です。標石には「御料局」という文字が読み取れます。調べてみると、御料局は後に帝室林野局となり、皇室財産を管理していた組織だ荘です。Wikipediaによると、

明治から昭和戦前期にかけて存在していた宮内省外局である。宮内大臣の管轄下、皇室財産である御料林の管理経営をおこなった

Wikipedia「帝室林野局」

そうです。

つまり、ここは昔はロイヤルな森だったのですね。

縞枯山から北八ヶ岳ロープウェイ駅へ

再びメインザックを背負い11:30に山頂を後にします。15分ほど下ると11:45ごろ山腹の巻道との分岐を通過します。

この辺りは立ち枯れた木々がみられます。白い肌の樹木と背景の青空は美しく絵画のようです。

自然と視線を上にやると、立ち枯れた木々の間の岩山に人が立っているのが見えます。あそこが縞枯山の展望台でしょうか。もうひと頑張りです。

ちょうど12:00に縞枯山の展望第への分岐に至ります。

展望台からの眺めは天下一品なのですが「この景色も見慣れてきたな〜」と友人。天狗岳や高見石など2日に渡る絶景づくしで不感症気味です。初めての北八ヶ岳で、ロープウエイから歩いてきた方にとっては紛れもなく絶景だと思います。

 分岐でスニッカーズを食べようとしたらカチカチに凍っています。歯が立たないとはこのことです。

力を加えるとパキッと乾いた音を立てて折れました。地学の教科書に載っている地層の写真ように美しい断面です。

友人のスティックパンはひとかたまりになっています。雪山では、低温でも凍りにくい食べ物を選ぶのが大切ですね。

12:25、展望台を出発します。5分ほど歩くと展望台と山頂の中間部という指導標があります。木々に囲まれ風も当たりにくいので、そこで休憩している人たちもいます。

12:35、縞枯山の山頂に到着です。樹林に囲まれ展望はありません。

 休憩していると、私達がこれから向かう縞枯山荘方面からスキーを背負った男女数名が登ってきました。訊けば親子で、山スキー(バックカントリースキー)のためにやってきたそうです。「ほとんど雪が無くて、歩いてきました」とのこと。スキーがあっても北八ヶ岳ロープウェイで山麓からのアクセスも便利なのだそうです。

 12:40、縞枯山から下山を始めます。樹林帯の急斜面をまっすぐに下っていきます。さきほどのご家族、スキーを背負ってよく登ったものだと感心しました。

12:55、雨池峠に至ります。ここまでくればロープウェイ山頂駅はもうすぐ。スノーブーツやスニーカーを履いた観光の方もいらっしゃいます。ローカットのスニーカーは、靴の中に雪が入りやすいので私としてはおすすめしません。

雨池山荘を通過します。

13:30頃にロープウェイ山頂駅に到着です。

駅前ではキツツキがお出迎えしてくれます。

徒歩なら山麓駅まで約2時間の道のりをロープウェイはたった7分で結びます。文明の利器バンザイ。

ロープウェイの運行情報については、北八ヶ岳ロープウェイのホームページをご覧ください。

JR茅野駅行きのバスが出ています。詳しくはアルピコ交通のホームページにて北八ヶ岳ロープウェイ線の時刻表ご覧ください。

私たちは、渋の湯に車を停めているので、タクシーで渋の湯の登山口に戻ります。

おわりに

山小屋が密にある北八ヶ岳は、はじめての雪山テント泊にもってこいの場所でした。特に白駒荘はロケーションも施設も素晴らしかったです。夏には湖面に映る星空を眺めに、秋には紅葉狩りにと季節を変えて訪れたいです。

登山計画

行程

行程 距離 コースタイム(標準) コースタイム(積雪期)
1日目 渋の湯〜黒百合平(ザックをデポ、テント設営)〜中山峠〜天狗岳〜天狗の奥庭〜黒百合平(黒百合ヒュッテにて幕営) 6.3km 7:30 9:46
2日目 黒百合平〜中山峠〜ニュウ〜白駒池〜青苔荘(デポ、テント設営)〜高見石〜白駒池(青苔荘にて幕営) 6.8km 6:13 8:07
3日目 白駒池〜麦草峠〜茶臼山〜縞枯山〜北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅 6.2km 3:45 5:24

費用

項目 費用
高速道路料金(関西〜茅野IC 往復) ¥10,550
ガソリン代 ¥6,000
タクシー代 ¥7,810
北八ヶ岳ロープウェイ運賃(片道) ¥1,000
渋の湯駐車料金 ¥3,000
テント場代 ¥2,000
外食費 ¥2,800
合計 ¥33,160

北八ヶ岳ロープウェイ片道運賃は、2020年4月25日以降、¥1,200に値上げ予定です。

食糧計画

1日目

内容
朝食(車内) おにぎり2個、みかん1個、プチトマト3個、牛乳200ml
昼食 チョコパン、ビーフシチューセット(黒百合ヒュッテにて)
行動食 柿の種、ナッツ類、ラムネ、ミニカルパス
夕食 アルファ米(白米)1袋、インスタントうどん1袋、しるこ1個、餅1個

2日目

内容
朝食 アルファ米(ドライカレー)1袋、味噌汁1杯、カロリーメイト1袋
昼食 クリームパン、ケーキセット(白駒荘にて)
行動食 柿の種、ナッツ類、ラムネ、ミニカルパス
夕食 たらこパスタ100g、ミニカルパス6個、味噌汁1杯、じゃがりこマッシュポテト1個、餅1個、プチトマト2個

3日目

内容
朝食 アルファ米(ドライカレー)1袋、餅1個、カロリーメイト1袋、みかん1個
昼食 スニッカーズ1個
行動食 柿の種、ナッツ類、ラムネ、ミニカルパス
夕食(下山後) ラーメン、チャーハン、餃子

参考

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