8月の富士山を登山 関西から鉄道とバスで日本一のご来光を観に行こう 2日目

山行

山行記録

8月の富士山へ 関西から鉄道とバスで日本一のご来光を観に行こう 1日目」の続きです。

山口山荘から浅間神社へ

深夜0:20に起床。富士登山の朝は早いのです。小屋の外に出ると、真っ暗闇のなかに、ヘッドランプの明かりがポツポツと列をなして動いていました。あれほどの人が深夜の山を登っている様子は富士山ならではの景色でしょう。

1:25に山頂でのご来光を目指して、富士宮ルートの七合目にある山口山荘を出発しました。

1:59に八合目の池田山荘に到着しました。おにぎりやパンを食べ、2:25に出発しました。

2:25に九合目の万年雪山荘に到着しました。おやつ、飲み物、軽食などの販売をしていました。

家から持ってきた袋菓子がパンパンになっていました。体では感じませんが、気圧が下がっているのですね。

おにぎりを食べて、3:20に出発しました。

暗闇の中を黙々と進みます。眼下に雲があるためか街の明かりも見えないので、自分がどれくらいの標高にいるのかは、道標と地図で確かめるしかありませんでした。

3:45に九合五勺の胸突山荘にやってきました。富士宮ルートで最も山頂に近い山小屋です。休憩して3:55に出発しました。

渋滞は無く、思ったより自分のペースで歩ける状態でした。息苦しさは感じませんでしたが体に疲労が溜っていると思い、負荷をかけ過ぎないよう意識してゆっくりと歩きました。

御来光

4:30。見上げると鳥居が見えました。山頂の浅間神社奥宮に到着しました。

寒くて持参したライトダウンの上にレインウェアを着込み、御来光を待ちました。

雲の向こうにぽつんと太陽が顔を出しました。

自然と「おお〜!」といった歓声や拍手が起こりました。この瞬間は、みんなが同じ方を向いて太陽を見つめていました。隣りにいる初対面の人と「綺麗ですね!」「写真撮りましょうか?」などと会話しながら、不思議な一体感に包まれていました。

そうしているうちにみるみる日が昇り、眼下には一面の雲海が広がっていました。

それまで冬のように寒かったのですが、日差しを受けると暖かく、お日様の恵みを肌で感じました。

雲の切れ間に宝永火口がみえました。

振り返ると、鳥居の向こうに三角形の影富士が伸びていました。

お鉢めぐり

6:50。明るくなり足元も見えやすくなってきたので、ヘッドランプとダウンをしまって、お鉢めぐりに出発しました。

めざすは富士山山頂の剣ヶ峰。上の写真のピークの見える場所が剣が峰です。建築物は気象観測所、かつての気象レーダードームのあった場所です。

剣ヶ峰直下の坂道は、見た目以上に傾斜があり、足元も砂地のため滑りやすかったです。息切れしながら最後のひと頑張りでした。

6:00ちょうどに気象観測所に到着しました。前には写真撮影の行列がありました。

前日の曇天が嘘のように抜けるような青空が広がっていました。まさに雲を抜けてきたのでした。景色を見ながら一休みがてら順番待ちをました。

ついにたどり着きました。ここが日本の最高所です。意外にも二等三角点でした。三角点の等級はその標高ではなく、設置間隔により定められているそうです。

日本の最高所のからの展望を満喫し、6:50に三角点を後にしました。

見渡す限りの雲海を眺めながら、散歩を楽しみました。

できれば、雲の下の地図のような景色も見てみたかったです。またの機会に。

画像では見えにくいですが、影富士の頂上に小さな円形の虹が見えました。

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お鉢をぐるりと巡ります。お鉢の中には雪が僅かに残っていました。

古い記録映画によるとレーダードーム建設にあたった方々は、飲料水確保のために氷を取りにお鉢へ降りていたそうです。頭が下がります。

荒涼とした大地を歩きます。「三途の川こちら」と看板があれば信じてしまいそうな、日常とはかけ離れた景色が広がっています。

7:40に久須志神社へ到着しました。

休憩して8:14に出発します。

8:55に浅間大社奥宮に着きました。焼印を押してもらい休憩をして9:20に出発しました。

御殿場ルート下山口から宝永第一噴火口へ

9:21に御殿場ルートの下山口から下山を開始しました。帰りは宝永火口を経由してスタート地点の富士宮口五合目に戻ります。

宝永山が見えました。あそこに向かって降りていきます。

9:55に赤石八合館に着きました。

杖に焼印をいただき、10:19に出発しました。

10:59に宝永山への分岐に至りました。左へ行くと山頂、右へ行くと宝永火口です。時間の関係で、山頂はスキップし火口に降りました。

足元は小石だらけで一歩ごとに登山靴がめり込みます。ザクザクとした感触を味わいながら歩いていきます。

11:30、宝永第一火口に着きました。噴火口の中に入るのは初めての経験。約2時間かけて雲の上から雲と同じ高さまで降りてきました。ここまで来ると前日のようなガスに囲まれた景色でした。

11:36、宝永火口の圧倒的な景観を眺められたのもつかの間、ガスが湧き霧雨も降ってきたので休憩もそこそこに出発しました。

宝永火口から富士宮口 五合目へ

宝永第一火口を過ぎると富士宮口の六合目まではアップダウンの少ない山腹を横切るようなコースです。この辺りは植物も多く生えていました。

砂礫だらけの厳しい環境でも植物は生きています。雨に濡れた草花はより鮮やかにみえます。私たちには冷たい雨でも、花々にとっては恵みの雨なのでしょう。

12:00頃、富士宮ルートの六合目の小屋が見えてきました。ここまでくれば、五合目の登山口はもうすぐです。

12:15に富士宮口 五合目に戻ってきました。

12:30発のバスに乗って、途中下車にて花の湯で日帰り入浴をして、JRの富士宮駅に戻りました。

タイムレコード

実際の地点通過時刻と地点間の所要時間は以下の通りです。

1日目

タイムレコード 14:25富士宮口五合目14:45→0:15→15:00六合目 雲海荘→0:45→15:45新七合目 御来光山荘15:55→0:40→16:35元祖七合目 山口山荘(一泊)

2日目

タイムレコード 元祖七合目 山口山荘1:25→0:35→1:59八合目 池田山荘2:25→0:30→2:55九合目 万年雪山荘3:20→0:25→3:45九合五勺3:55→0:35→4:30浅間神社5:40→0:20→6:00剣ヶ峰6:50→0:50→7:40久須志神社8:14→0:40→8:55奥宮 御殿場口下山道9:20→0:27→9:48八合目→0:08→9:55赤石八合館10:09→0:21→10:30須走館10:45→0:15→10:59宝永山との分岐→0:05→11:05富士宮口 五合目との分岐→0:25→11:30宝永第一噴火口11:36→0:15→11:50第一火口縁の分岐→0:10→12:00富士宮 六合目→0:15→12:15富士宮口五合目12:30

費用

料金の改定が行われる可能性がありますので、実際に行かれる前にご確認をお願いいたします。

項目 費用
青春18きっぷ(2回分) ¥4,820
新幹線(京都→名古屋) ¥5,170
富士急行バス(往復) ¥3,100
山口山荘(1泊2食) ¥7,500
合計 ¥20,590

富士登山の持ち物

 無雪期の登山装備を持参しましょう。基本的な装備は「初心者向け!登山に必要な持ち物は? ○○○を意識しよう」にまとめていますので、ご覧ください。

 その他、私が富士山で特に大事だと感じたグッズについて書こうと思います。ポイントは防寒、防塵、日焼け止めです。

防寒:ライトダウンとレインウェア

 標高が1,000m上がると気温は6℃下がるといわれます。夏とはいえ3,000mを超える富士山頂では、夜や早朝のご来光待ちの際は1桁台の気温となります。ご来光を待つ方もそうでない方も、フリースやライトダウンなどの防寒具と雨風を防ぐレインウェアは必ず持参しましょう。

防塵:ネックウォーマーやサングラス

 富士山の5合目より上には植物がほとんど生えていないため、砂礫の大地が広がっています。風や大勢の登山者が歩くことで巻き上げられた砂が、目や鼻、口に入ると不快なだけでなく身体を傷つける可能性があります。サングラス、鼻まで覆えるネックウォーマー、手袋、ズボンと靴の隙間を覆い靴の中への砂の侵入を防ぐゲイターなどで、砂埃対策をしておきましょう。ネックウォーマーは、ちょっとした保温にもマスク代わりにも使えて一石二鳥でした!

日焼け止め:帽子、日焼け止めクリーム

 日焼け止めもお忘れなく。標高が1,000m上がると紫外線量は10%増えるそうです。紫外線にさらされ続けると肌が火傷のような状態になる恐れがあります。普段は日焼け対策をしない方でも、強い紫外線にさらされる富士山ではつばのある帽子、日焼け止め、長袖の衣類などで万全の対策をしてください。

タオル・ボディーシート

 砂や汗で汚れても山小屋では水の確保が難しいため、基本的にお風呂に入れません。私は汗や日焼け止めなどを拭き取るために、タオルを濡らして体を拭いていました。ゴミを持ち帰る必要がありますが、顔や足などはボディーシートを使うとずいぶんさっぱりしますよ。

登山用品のレンタルサービス「やまどうぐレンタル屋」

悩めるひと

富士山には登りたいけど、登山装備は持ってないし、これから続けるかもわからない。

という方もいらっしゃると思います。山専用の道具は高価なので購入するのは躊躇してしまいますよね。

 そんなときは、登山用品をレンタルできる「やまどうぐレンタル屋 」などのサービスを利用するのもひとつの方法です。

 ネット予約でき自宅まで配送してくれます。さらに富士登山のシーズンなら吉田口と富士宮口での受け渡しも行っています。道具を持っていなければ私も使いたいくらい、めっちゃ便利です。

 富士登山にも対応するフルサポート12点セットの1泊2日レンタルの料金は、最安で19,800円です。

 専用の道具は高価ですが、それは安全性や快適性が高いからでもあります。

 例えば、スニーカーやランニングシューズは、街なかの舗装路では快適ですが、富士山などの登山道では滑りやすかったり水を通してしまったりするかもしれません。実際に私もスポーツウェアにスニーカーという軽装の方が登山道の脇にしゃがみこんでいるのを見かけました。登山靴はぬかるんだ道や砂利の多い地面でも滑りにくい靴底や、雨でも水を通さず蒸れを逃がすなどの機能を備えた素材で作られています。

 場面にあった道具を使うと安全・快適に登山できます。はじめてだけど富士山に登ってみたいという方も、安全のための道具には妥協しないでくださいね。

 お試し登山の際は、身体にもお財布にもやさしい「やまどうぐレンタル屋 」のご利用もよい方法だと思います。

おわりに

 自己紹介で山岳部であったことを伝えると必ずと言っていいほど「富士山、登った?」と尋ねられます。私も登るまでは、富士山は眺める山との言葉もありどんなだろうと思っていました。

 実際に登ってみると、荒涼とした風景や山頂からの見渡す限りの雲海は圧巻でした。なにより目線より高い陸地がなにもないというのは、日本の他の山では見られない風景です。このときは雲海が広がっていたので、富士山の広大な裾野や駿河湾の景色を望むことはできませんでした。ルート、天候や季節が異なれば、同じ山でもまた違う味わいがあると思います。

 富士山には確かに多くの人を惹きつける魅力がありました。ご興味のある方はぜひ一度登って、その目で確かめてみてください。

参考

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